2010/10/27

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

トルコの人口増加は鈍化傾向

この記事の要約

トルコは、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)に続く新興経済大国の予備軍として注目を集めている。国連の予測によると同国の人口は、2050年までに約1億人に達し、欧州連合(EU)への加盟が実現した場合、最大の加盟国 […]

トルコは、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)に続く新興経済大国の予備軍として注目を集めている。国連の予測によると同国の人口は、2050年までに約1億人に達し、欧州連合(EU)への加盟が実現した場合、最大の加盟国になる。

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09年末時点のトルコの人口は7,151万7,000人で、前年から1.3%拡大した。同国は欧州で最も高い人口増加率を誇るが、その伸び率は鈍化傾向にある。1980年代後半には2.5%だった成長率は、90年代に1.8%に減速した。女性が産む子供の数も減少しており、合計特殊出生率は60年の6.3から08年は2.1にまで落ち込んでいる。ただ、出生率は地域によって大きな差がある。00年の統計によると、首都イスタンブールを含むマルマラ地方の出生率は1.4と、西欧並みに低水準だった。一方、南東部のシルナク県では7.1、隣接するハッカリ県で6.7、シイルト県で6.1と、貧困地域は高水準となっている。なお、アンカラにある人口問題研究所のまとめによると、06年の15歳以上の女性の文盲率はシルナクで66%、ハッカリで58%、シイルトで56%と、全国平均の20%を大きく上回っており、文盲率と出生率には相関関係が見られる。

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独ベルリン人口開発研究所は、先月発表した報告書の中で「南東部アナトリア地方の貧困や低教育の問題は、政治的・経済的発展によっても簡単に解決しうる問題ではない」と指摘。トルコがEUに加盟すれば、満足な教育を受けておらず技能も持たないこれらの人々が、移民として西欧先進国に流入することが考えられ、多くのトルコ移民を抱えるドイツやその他のEU加盟国にとって大きな問題と可能性があるとの見方を示している。

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