2010/11/3

総合・マクロ

墺エルステ、7-9月期は16%増益

この記事の要約

オーストリアの大手銀行エルステが10月29日発表した2010年7-9月期連結決算は、純利益が2億6,500万ユーロとなり前年同期から16%拡大した。大手顧客向け事業が景気回復を反映し好調だったうえ、貸し倒れ引当金が予想を […]

オーストリアの大手銀行エルステが10月29日発表した2010年7-9月期連結決算は、純利益が2億6,500万ユーロとなり前年同期から16%拡大した。大手顧客向け事業が景気回復を反映し好調だったうえ、貸し倒れ引当金が予想を下回ったことが奏功。ルーマニア事業の赤字とチェコ事業の減益でも増益を確保した。

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純金利収入は4.1%増の13億9,000万ユーロに拡大。貸し倒れ引当金は5億420万ユーロで、前年同期比から9.5%、前期(4-6月期)から8.8%縮小した。不良債権比率は9月末時点で7.6%と前年同月の6.6%よりわずかに上昇したものの、上昇ペースは鈍化傾向にある。ただ、東欧経済の回復の遅れから、不良債権の総額は前期より12%拡大した。

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エルステのルーマニア子会社で同国最大手のルーマニア商業銀行(BCR)は経済の低迷でリテール事業が伸び悩み、940万ユーロの赤字となった。貸し倒れ引当金は1億4,430万ユーロ。前年同期より7%減少したが、前期比では21%拡大した。同国政府は債務削減のため緊縮財政を続けており、BCRのBruyneseels社長は「業績が好転するのは2011年以降になる」と予想している。チェコ子会社で同国最大手のチェコ貯蓄銀行(Ceska sporitelna)の純利益は前年同期から30%縮小した。

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