ロシアのベビー関連市場が活気付いている。人口減少の深刻化に悩む同国では政府が積極的に少子化対策に取り組んだ結果、新生児の数が増加に転じているためだ。10月26日付のロシア英字紙『モスクワ・タイムズ』が伝えた。
\保険・社会発展省のまとめによると、2009年の出生率は前年比で2.8%上昇した。また、プーチン首相は6月、今年1-4月期の出生率は前年同期から1.3%上昇したとことを明らかにしている。出生率が改善している背景には、ソ連時代の1980~87年に出生率が比較的高い時期があり、当時生まれた女性が出産適齢期に入っていることがある。また、少子化対策の目玉として06年に当時のプーチン政権が導入した出産一時金制度も大きく貢献している。これは、第2子を出産或いは養子縁組した母親に一時金を支給するというもの。支給額は現在約34万ルーブルで、ロシアの平均年収の約1.5倍に相当する。
\子供用品企業連合会のアントニーナ・チツリナ会長によると、ベビーブームの恩恵を受け、子供用品市場は年に15%の勢いで成長しており、2007年には75億米ドルだった市場規模は現在、145億米ドルに拡大しているという。ロシア最大の子供用品チェーン「ジェーツキー・ミール」は、昨年の売上が9%伸び、今年は12%増を見込んでいる。調査会社インフォラインのイワン・フェドヤコフ社長は、「金融危機の最中でも消費者は子供への支出は惜しまなかった。これはロシア人特有のメンタリティーだ」とコメントしている。(1RUB=2.62JPY)
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