ウズベキスタンの化学産業は、国内総生産の5%を占める。同国は石油、天然ガス、リン、炭酸ナトリウムなどの資源に恵まれており、化学産業の発展ポテンシャルは高いと見られるが、旧ソ連時代からの老朽化した設備を抱える企業の生産能力は低く、設備の更新が急務となっている。
\ウズベキスタンの化学産業を掌握するウズキミヨサノアト(ウズベキスタン化学品公団)は、メーカー13社、肥料商社12社のほか、研究所やサービス業者を傘下に収める。同社の生産内訳は、窒素肥料が60%、リン酸肥料が16%、その他が24%となっている。肥料生産が大きな割合を占めているのは、ウズベキスタンの主要輸出産品である綿花栽培に不可欠なためだ。ウズキミヨサノアト傘下の主要メーカーには、ナボイアゾト、マクサム・チルチック(窒素肥料)、アンモフォス、コカンダ・スーパーホスフェート(リン酸肥料)、ジザク・プラストマッサ(ポリエチレンフィルム、ポリエチレン管)、クングラド・ソーダプラント(カリ肥料)などが挙げられる。ウズキミヨサノアトは、2011年から自動車燃料に使用される純粋メタノールとジメチルエーテルやリン酸トリナトリウムの生産に乗り出す計画を表明している。
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