ポーランドの実業家ヤン・クルチク氏は4日、電力大手の国営エネアの政府保有株式を取得する契約に調印した。同氏が率いる投資会社クルチク・ホールディングはポーランド政府が保有するエネア株式60.43%のうち51%を56億ズロチで買収する。同社はエネアの残りの株式も買い取ることを義務付けられたため、最終的な取引価格は約100億ズロチに上る見通しだ。また、同社がエネアの株式を10年間、売却しないことも契約で規定された。
\エネアはヴィエルコポルスカ県と西ポモージェ県を中心に250万件の顧客を抱えるポーランド3位の電力会社。クルチク・ホールディングのほか、仏エネルギー大手GDFスエズや伊エネル、仏電力公社(EDF)、スペインのイベルドローラが買収に名乗りを挙げていたが、最終選考にはクルチク・ホールディングとGDFスエズが残り、10月28日にクルチク・ホールディングが独占交渉権を獲得していた。
\クルチク氏は今回の取引について、「ポーランドで最初の民間エネルギー会社を創出する。戦略的資産は国内に残すが、欧州にも事業を広げる」と抱負を語った。
\ポーランド政府は電力部門の民営化を推進しており、6月には業界2位タウロンの持ち株52%を新規株式公開で売却(IPO)し、42億1,000万ズロチを調達した。今後は業界4位のエネルガの売却が控えている。(1PNL=28.89JPY)
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