世界銀行はこのほど、ロシア経済が当初の予想ほど速やかには回復しないとして、今年の予想成長率を当初の4.5%から4.2%に下方修正した。来年も4.8%から4.5%に、2012年も4.7%から3.5%に引き下げた。国内消費が上向き、企業への融資が拡大して投資が活発化するかどうかが、経済回復を加速させる重要なカギとなると指摘している。
\ロシア経済のもうひとつの懸念材料はインフレ率の上昇で、夏の干ばつの影響で食品価格が高騰するなどにより8~9%に達すると見られる。世銀はロシアの金融政策は年内に引き締めに転じる必要があると見ているが、中央銀行は10月に政策金利を据え置いた際に当面利上げをしない方針を示唆した。世銀のロシア経済担当エコノミスト、ボゲティック氏は、中銀の最低準備率を引き上げて余剰気味の市中流動資金を吸収することも金融引き締めのための一措置として考えられるとしている。
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