2010/11/17

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

ブルガリアとロシア、サウス・ストリーム推進で合弁会社設立へ

この記事の要約

ブルガリアとロシアは13日、ロシアが主導するパイプライン・プロジェクト「サウス・ストリーム」の実現に向け、ブルガリアを通過する区間の建設・運営を共同で行うことで正式に合意、契約に調印した。具体的には、ブルガリアの国営エネ […]

ブルガリアとロシアは13日、ロシアが主導するパイプライン・プロジェクト「サウス・ストリーム」の実現に向け、ブルガリアを通過する区間の建設・運営を共同で行うことで正式に合意、契約に調印した。具体的には、ブルガリアの国営エネルギー持ち株会社「ブルガリアン・エナジー・ホールディングス(BEH)」とロシアのガスプロムが折半出資で合弁会社を設立する。合弁会社はまず、事業化調査の入札を実施する予定だ。

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サウス・ストリームはガスプロムとイタリア最大の石油会社エニが主導するプロジェクト。仏電力公社EDFの参加も決まっている。ウクライナを迂回して黒海経由でロシアと欧州と結び、ブルガリアから先はギリシャや南イタリアに向かう南ルートと、北イタリアに向う北ルートに分かれる。ロシア産ガスの輸送でトラブルを繰り返すウクライナを経由せずに欧州向けの輸出を拡大するのがロシア側の狙い。2013年に着工し、15年末に輸送を開始する予定で、最終的には年630億立方メートルの天然ガスを輸送できる。総工費は260億米ドル。ブルガリアを通過するルートの敷設コストは8億3,500万ドルに上る。

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ブルガリアは、欧州連合を後ろ盾に進められている競合プロジェクト「ナブッコ」と、ロシア産の石油輸送管を敷設するブルガス・アレクサンドロポリス・パイプライン計画にも参加を表明している。ただ、ブルガス・アレクサンドロポリス計画については、この夏、原油漏れ事故が起きた場合に黒海沿岸のリゾート地が汚染されるとの懸念が浮上。ブルガリアで同計画を遂行する合弁会社「トランス・バルカン・パイプライン」が作成する調査リポートを踏まえて10月にも進退を決定する姿勢を示した。しかし、先ごろ提出されたリポートに不備があったため、その時期は12月以降にずれこむ見通しだ。

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