2010/11/17

ロシア

イタリア自動車部品メーカー、ロシア現地生産に乗り出す

この記事の要約

イタリアの自動車部品メーカーがこぞってロシアに進出し始めた。フィアット傘下のマニエッティ・マレリは10日、モスクワの南東200キロに位置するリャザン市近郊に照明部品工場を開設。ピレリも現地生産を計画中だ。\ マニエッティ […]

イタリアの自動車部品メーカーがこぞってロシアに進出し始めた。フィアット傘下のマニエッティ・マレリは10日、モスクワの南東200キロに位置するリャザン市近郊に照明部品工場を開設。ピレリも現地生産を計画中だ。

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マニエッティ・マレリの12日付プレス発表によると、今回の拠点設置はロシアにおける高品質部品の需要拡大を受けたもの。フィアットグループのロシア提携事業を支援するねらいもある。

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リャザン工場ではヘッドランプとテールランプを製造する。工場面積は5,600平方メートルで、ヘッドランプとテールランプのほか、フォグランプの生産も可能だ。フル稼働時には200人を配置し、年間200万個を出荷する。ロシア自動車大手のアフトワズ、GAZ、ソレルスのほか、ルノー、フォルクスワーゲン、フォードなどの現地工場に製品を納入する。

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マニエッティ・マレリは、欧州の中でロシアのほかに自動車市場が成長している国はないと指摘した上で、提携事業を含め、今後も現地生産を強化していく意向を示している。

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同社は、ヘッドランプを年間2,000万個、テールランプを2,500万個製造しており、照明部品事業でグループの年商の25%を稼ぎ出している。

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タイヤ大手のピレリは2015年までに総額2億ユーロをロシアに投じる計画だ。年末までに、ロシアでメーカーを買収するか、提携パートナーのロステクノロジーと共同で拠点を新設するかを決定する。

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ピレリとロステクノロジーは昨年12月、タイヤ生産での提携を決め、折半出資で合弁会社を設立する覚書に調印した。沿ボルガ地方のトリヤッチ市で工場を新設するほか、同市のあるサマラ州で部品メーカーを買収する方向を示していた。

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ロシア自動車市場は経済危機の打撃から急速に回復しつつあり、今年1-8月の販売実績は前年同期から14%も増加した。IHSグローバルインサイトによれば、2015年の同国生産台数は200万台に達する見通しだ。現地生産化を推進するロシア政府の政策もあり、ロシアに対する自動車関連企業の投資が活発化している。

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(東欧経済ニュース2009年12月9日号「伊ピレリ、ロシアにタイヤ工場新設へ」参照)

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