ロシアのアルミ最大手、ルサールが12日発表した2010年7-9月期の純利益は2,900万米ドルとなり、前年同期の6,400万ドルの半分以下に落ち込んだ。電力価格の上昇と金融コストの増加が主因。売上高は28%増の27億1,000万ドル、営業利益(EBITDA)は5億6,400万ドルだった。
\1トンあたりの生産コストは4%上昇したが、その大部分が電力価格高騰に起因する。ロシア電力市場の自由化が進められていることが背景にある。来年からは卸価格の規制も廃止されるが、ルサールでは「規制廃止で影響を受けるのは消費電力の4%で、大きな痛手にはならない」との見方を示している。
\金融支出は前年同期の2億7,600万ドルから6億9,900万ドルへと急激に膨らんだ。債務削減計画に基づき、3億900万ドルを償還したためだ。金融資産の評価損を計上したことも響いた。
\減益を受けて、香港証券取引所におけるルサール株価は12日、6.1%下げた。1日の間の下落幅としては、1月27日の上場以来、最も大きかった。
\来年は、アルミニウムで今年並みの410万トン、アルミニウム合金で15%増の150万トンを生産する予定だ。アルミ輸入国となった中国を照準に販売を拡大する方針。
\なお、ルサールは1-6月期利益を13億7,000万ドルに上方修正した。ノリリスク・ニッケルの持ち株(25%)の評価益を組み入れた。
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