ロシア政府は11日、電子決済の法的基盤となるロシア決済システム法案を閣議決定した。議会で承認されれば、その後1年で発効する。
\同法案は、財務省が今年4月に提出したものの、中央銀行や関連業界団体の指摘を受けて数回にわたり修正が加えられたため、閣議決定が遅れていた。
\業界団体の電子マネー協会は同法案を「厳格な規制と市場の現実をかみ合わせた合理的な折衷案」と評価している。規制当局である中央銀行は、通常の銀行取引よりも規制に柔軟性を持たせる方針だ。ただ、この点に関して電子マネー協会は、柔軟な規制を条文として明文化するよう求めている。
\同法案によると、業務を行うには「非銀行系金融機関」の事業免許が必要となる。免許取得には1,800万ルーブル(60万ドル)の資産を持つことが前提となる。ヤンデックス・マネーやウェブマネーといった大手企業にとっては問題ないが、財力のない小規模事業者は市場から消える運命となりそうだ。
\利用者サイドでは、決済額が1万5,000ルーブルを超えると、氏名とパスポート記載事項を電子決済事業者に報告する義務が生じる。しかし、ヤンデックス・マネーによると、決済額の平均は700~800ルーブルのため、決済法が発効しても、ほとんどのユーザーはこれまでと変わらずにサービスを利用できる。
\ロシアの2009年電子決済市場規模は400億ルーブル(13億3,000万米ドル)。Eマネー協会では、市場が今年40%成長すると見込んでいる。(1RUB=2.67JPY)
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