世界的な経済危機を受けて昨年にマイナス15%という深刻な景気後退に陥ったウクライナ経済が、予想以上の勢いで回復している。アザロフ首相は8日、ロイター通信とのインタビューで、2010年の経済成長が当初予測の3.4%を大きく上回り5%に達するとの見通しを示した。来年は最低でも5%、最大10%が可能とし、景気後退に陥るまで8年間平均7.5%に達していた高度経済成長の再現に期待をかけている。
\ただ、15日の同国統計局の発表(速報値)によると、今年第3四半期(7-9月期)の国内総生産(GDP)は前年同期比3.5%増となったものの、第1四半期の4.9%増、第2四半期の5.9%増と比べると成長ペースは鈍化した。
\アザロフ首相によると、今年の財政赤字は経済成長が予想を超える水準に達するため、当初目標の国内総生産(GDP)比5%を大きく下回るもよう。同時に、「財政は市場で資金調達できるだけの十分な安定レベルに達した」と語り、国債発行への意欲を見せた。
\国際通貨基金(IMF)は、ウクライナの予想成長率を今年3.7%、来年4.5%に設定している。IMFは8月、ウクライナ政府が財政緊縮するという条件付きで、150億米ドルの融資枠を供与することに合意した。
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