スロベニアの製薬大手クルカが、ロシア事業を大幅に強化する。1億3,500万ユーロを追加投資し、今後5年で同国における生産能力を現在の3倍に引き上げる。
\ブルームバーグ通信が現地紙『ファイナンス』の報道として伝えたところによると、新工場の建設地はモスクワ近郊で、2013年に稼動する予定だ。年産能力は200万錠に上る。勃起不全(ED)治療薬「バイアグラ」の特許が2012年で切れるのを視野に、後発医薬品(商品名:Vizarsin)の売り込みをかける戦略とみられる。ロシアはクルカの売上の17%を占める主力市場だ。
\APA電によると、クルカは09年、他社に先駆けてバイアグラの後発医薬品を市場に投入した。皮切りとなったスロベニアでは、バイアグラの約7割の価格で売られている。また、錠剤の色は目立たない白で、他人が見てもED治療薬とはわからないという。バイアグラは2012年に多くの欧州諸国で特許が切れる。クルカとしては、これを商機に攻勢をかけたいところだ。
\クルカの2010年上半期の純益は前年同期比17%増の9,120万ユーロ、売上高は5%増の5億ユーロだった。同社の雇用数は5,067人と、流通のMercator、国営のスロベニア鉄道、スロベニア郵便に続く国内4位。家電のゴレニエは5位に後退した。
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