ロシア化学大手シブール傘下のシブール・ヒムプロムはこのほど、ペルミのスチレン工場の拡張工事を完了し、稼動を開始した。プラントへの投資金額は80億ルーブル(1億9,000万ユーロ)で、エチルベンゼン、スチレン及び発泡性スチロールを生産する。
\エチルベンゼンの新生産ラインは年産能力22万トン。ゼオライト触媒を採用した米Badger Licensing社の最新技術を導入し、塩化水素や芳香性炭化水素の放出を抑制することができる。新生産ラインの稼動に伴い、既存のエチルベンゼン生産ライン(年産能力12万トン)は解体される。スチレンの生産ラインは、近代化により年産能力を10万トンから13万5,000トンに引き上げると同時に、真空脱水方式を導入することで原材料とエネルギーの節減を実現した。発泡スチロールの生産ラインは、年産能力が年間5トン。発泡スチロール大手の墺・ノルウェー系Sunpor社の生産技術を採用し、ロシアで初めて欧州基準に対応する製品を生産することが可能となった。
\シブールはロシア最大の化学・石油化学グループで、2009年はポリマーを59万7,000トン、ゴムを33万9,000トン生産した。
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