ロシア連邦内タタルスタン共和国の石油大手タトネフチは、来年早々にも新設した製油所を稼働させ、石油製品の販売を開始する計画だ。同共和国の大統領でもある同社のルスタム・ミニハノフ会長がこのほど、ブルームバークに明らかにした。タトネフチの生産量の伸び率はここ数年1%以下と低迷しているが、新製油所の稼働で増産と業績改善が期待できる。
\同製油所はソ連崩壊後に国内で初めて新設された製油プラントで、ウラル産原油を原料とする輸出向けの高品質・高価格の石油製品を生産することを目的にしている。製油所にはタトネフチが91%、タタルスタン政府が9%出資。同政府はこれまでに、投資総額2,900億ルーブル(95億ドル)のうち約5%を負担した。
\新製油所は当初、年産能力700万トン(日産14万バレル)で2016年にフル稼働する予定だった。だが、国内石油最大手ロスネフチの会長を兼ねるイーゴリ・セーチン副首相が同製油所の規模拡大を要請したため、タトネフチは生産能力の倍増を計画。当初2,200億ルーブルと見積もられていた投資規模は最終的に32%増の2,900億ルーブルに膨む見通しだ。タトネフチはこれまで当初の投資規模の75%以上を拠出。資金調達のため、出資比率の一部売却も検討している。(1RUB=2.64JPY)
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