ロシアの携帯電話サービス最大手モバイル・テレシステムズ(MTS)は16日、親会社の複合企業システマから通信部門システマ・テレコムを買収すると発表した。買収額は115億9,000万ルーブル(3億7,910万ドル)。MTSはさらに、同社子会社とシステマ・テレコムが抱える負債13億5,000万ルーブルを含めた総額18億ルーブルの負債を引き継ぐ。取引は年内にも完了する見通し。同社のMikhail Shamolin会長兼CEO(最高経営責任者)は、ロシア・CISの電気通信市場は今後も大きな成長が見込めるとして、システマ・テレコムの事業資産を取得し顧客向けサービスを強化する方針を示した。
\MTSはシステマ・テレコムの買収によって、両社がそれぞれ55%、45%出資している携帯電話や電気製品の小売企業TSリテールを100%子会社化できる。また、MTSが以前発行した20億ルーブル相当の約束手形、システマ・テレコムが2006年にロシア事業向けに導入した卵型ロゴマークも取得する。MTSは2007~09年の間、同マークの使用料(ロイヤルティー)として計4,100万ドルを支払った。
\なお、MTSが18日発表した7-9月期連結決算(米国会計基準:GAAP)の純利益は、為替差損が響き前年同期比5.7%減の4億7,550万ドルに縮小した。売上高は10.8%増の29億1,100万ドル、償却前営業利益(OIBDA)は8.2%増の13億900万ドルだった。(1RUB=2.64JPY)
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