2010/12/1

総合・マクロ

EUとウクライナ、ビザなし渡航実現に向けた行動計画に署名

この記事の要約

欧州連合(EU)とウクライナは11月22日、ブリュッセルで年次首脳会談を開き、ウクライナ市民のEU域内へのビザ(入国査証)なし渡航実現に向けた行動計画で合意した。\ 現在、ウクライナ市民がEU27カ国に渡航する際にはビザ […]

欧州連合(EU)とウクライナは11月22日、ブリュッセルで年次首脳会談を開き、ウクライナ市民のEU域内へのビザ(入国査証)なし渡航実現に向けた行動計画で合意した。

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現在、ウクライナ市民がEU27カ国に渡航する際にはビザが必要だが、今回の首脳会談では短期渡航者にはビザを免除する方向で交渉が進められ、同日付で行動計画を実行に移すことが決まった。ただ、EUはウクライナ政府に、民主化と人権保護、司法分野での改革をさらに進めるよう要請し、ビザ免除の具体的な日程を提案することは見送った。

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一方で、EUはウクライナの汚職撲滅や投資・労働環境改善への取り組みを評価。これにより両者はウクライナのEUプログラムへの参加を認めるパートナーシップ・プロトコルに署名した。

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今回の首脳会談にはEU側からファンロンパイ大統領および欧州委員会のバローゾ委員長、ウクライナ側からはヤヌコビィッチ大統領が出席。ロシアからのエネルギー供給問題についても話し合われ、経由地となっているウクライナは、欧州に滞りなくガスを輸送することを約束した。

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ヤヌコビィッチ大統領は会談前の記者会見で、ウクライナのEU加盟が政策目標だと強調。一方、EUは旧ソ連邦6カ国との関係強化を図る「東方パートナーシップ」政策の枠組みでウクライナとの関係を強化していく方針で、交渉中のEU・ウクライナ間の連合協定についても、協定締結はEU加盟を前提としないとの立場をとっている。

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