ロシア連邦統計局(ロススタット)がこのほど発表した2010年1-9月期の外国投資受け入れ額は475億米ドルで、前年同期から13.2%減少した。内訳は直接投資が17.8%減の82億ドル、ポートフォリオ投資が15%減の8億6,600万ドル、その他が12.2%減の384億ドルだった。
\著名エコノミストのエフゲニー・ヤシン氏は、対内投資が減少している理由として、「外国投資家の間ではロシアが魅力的な投資先であると認識されているものの、不透明な投資環境や政府による民間部門への介入などに対する懸念が根強い」と指摘。また、ロシアからの資本逃避が増加傾向にあることに触れ、政府は企業にとって良好なビジネス環境を整備しなければならないと強調する。
\一方、発展センター経済研究基金のチーフエコノミスト、ワレリー・ミロノフ氏は、リーマンショック以前のロシアは、利回りの高さと強いルーブルを背景に外国投資家を引き付けていたと説明。しかし、金融危機後に世界の投資環境が大きく変化する中、ロシアでは天然資源に依存する産業構造から脱却することなく、新たな成長モデルを提示することができず、他の新興経済大国(ブラジル、インド、中国)に遅れをとっていると指摘する。
\ロシアの10年7-9月期の国内総生産(GDP)は前年同期比2.7%増。対してインドは前年同期比8.8%増、ブラジルが8.7%増だった。また、中国は1-9月期に10.6%の成長を記録しており、ロシアの低成長ぶりはBRICsの中で際立っている。
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