独コンサルティング大手ローランド・ベルガーが、欧州の大手企業幹部480人を対象にこのほど行った調査で、中東欧の企業幹部が西欧よりも先行きに悲観的であることが明らかになった。
\今後の経済見通しに関する質問では、西欧の企業幹部の大半が「公的機関の予測よりも高くなる」と楽観的な見方を示したのに対し、東欧の企業幹部は2011年の経済成長率は1.7%と、公式予測の3.3%を下回る見通しを示した。早期の景気回復を予想する幹部は全体の10%にとどまり、53%が「U字型回復」、40%「L字型回復」を予想した。
\このほか、西欧で14%、中東欧で30%の企業幹部が「会社の資金繰りが苦しい」と答え、「顧客の支払モラルが悪化した」は西欧で34%、中東欧で60%だった。また、人員削減を実施した企業は西欧で40%、中東欧で65%に上った。
\一方、ローランド・ベルガーが中東欧の企業幹部320人を対象に、今後の中東欧地域の成長見通しについて聞いた調査によると、多くの幹部が、中国やインドが今後の世界経済のけん引役となり、中東欧はこれまでのような高成長は望めなくなるとの見方を示した。
\国際通貨基金(IMF)は、向こう5年間を中東欧の成長率を3.8%と予想しているが、今回の調査に参加した企業幹部の見通しの平均は1.8%と低かった。低成長を予想する理由として、官僚主義や汚職のまん延、インフラの貧弱さ、企業のイノベーション能力の欠如などを挙げる声が多かった。また、素材、化学、自動車などこれまで中東欧の中核だった産業の重要性は次第に薄れ、代わって電気通信、製薬、医療技術など付加価値の高い産業が存在感を増すという意見が多く見られた。
\