オーストリア大手銀行ライフアイゼン・ツェントラルバンク(RZB)の中東欧部門であるライフアイゼン・バンク・インターナショナル(RBI)は11月29日に発表した1-9月期決算で、ハンガリーでの業績回復が難航していることを明らかにした。金融市場の低迷による減収に加えて銀行税という新たな負担が加わったためで、RBIは中欧事業が回復に向かう中でハンガリーが取り残されると懸念を示している。
\ハンガリー子会社は貸付業務が低調だったことや、外貨建て預金残高の減少などにより、1-9月の純金利収入が前年同期を下回り、手数料収入も減少した。不良債権の引当金は貸倒れ率の低下とポートフォリオの改善により、前年同期に比べ6,500万ユーロ減少し、1億2,700万ユーロに縮小した。一方、銀行税の引当金として3,100万ユーロの特別経費を計上。RBIのStepic頭取は、「銀行への規制介入が強まり銀行税も導入され、自己資本を強化するのが一段と難しくなった」と、不満を漏らしている。
\主力市場である中東欧の不良債権問題はおおむね収束してきたが、RBIの新たな懸念材料は西欧市場でリスクが高まっていることだ。ギリシャ、アイルランドに続きユーロ圏加盟国の財政危機が拡大するようなことになれば、中東欧の金融市場にも深刻な影響が及ぶと指摘している。
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