エネルギー大手の独エーオンは1日、ロシアの国営天然ガス大手ガスプロムの保有株3.5%を売却すると発表した。すでに、0.8%は市場で売却しており、残り2.7%は今月中にロシアの国営銀行VEBに売却する。売却総額は計34億ユーロとなり、25億ユーロの売却益を確保する見通しという。
\エーオンは1998年にガス子会社エーオン・ルールガスを通してガスプロム株2.5%を取得。2003年には出資比率を6.4%まで引き上げたが、昨年、西シベリアのユジノルースコエ・ガス田開発の権益を獲得するのと引き換えに、2.9%をガスプロムに譲渡した。
\エーオンは債務圧縮のため、総額150億ユーロ規模の資産を2013年末までに放出する方針を打ち出しており、今回のガスプロム株売却はその一環。ただ、同社は、ユジノルースコエ・ガス田開発のほか、2007年にはロシアの国営電力最大手「統一エネルギーシステム(UES)」から電力子会社OGK-4を買収しており、同国の電力・ガス市場に投資するというこれまでの戦略に変更はないとしている。
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