米飲料大手のペプシコは2日、ロシアの乳製品・飲料大手ウィン・ビル・ダン(WBD)の株式66%を38億ドルで買収すると発表した。ロシア政府が認めれば残りの株式も取得する方針だ。独禁当局の承認を経て取引が成立すると、ペプシコはロシア最大の食品・飲料企業になるうえ、ロシアは米国に次ぐ同社2位の市場になる。
\WBDは「Domik v Derevne」(ミルク)、「Chudo」 (ヨーグルト)、「J7」(ジュース)などのブランドで知られる。ロシアやウクライナ、中央アジアで49の生産施設を持ち、約3万1,000人の従業員を擁する。昨年の売上高は22億ドル。今年は26億ドルに上る見通しだ。
\ペプシコは2020年までに栄養補給食品・飲料事業の規模を現在の3倍の300億ドルに拡大することを目標にしており、WBD買収はその一環。買収額は換算すると、WBDの過去3カ月の平均株価より32%多いうえ、同社の推定EBITDA(利払い・税・償却前利益)の16倍に上るという。
\ロシア食品・飲料市場ではここ数年、国外大手企業による買収が活発だ。栄養補給食品・飲料ブームが先進国から新興国に広がりつつあることが背景にある。ペプシコは08年に同国のジュース最大手レベジャンスキーを買収。ライバルのコカコーラは今年9月、同4位のニダン・ジュースの株式75%を英投資ファンドのライオン・キャピタルから取得した。また、WBD株18.4%を保有していた仏ダノンは乳製品・ベビーフードでロシア2位のユニミルクを買収。独禁法に抵触するため、10月にWBD株を手放している。
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