クロアチアでは、ごみ処理・リサイクル施設や上下水道など環境衛生関連インフラの整備が遅れている。環境衛生インフラへの昨年の投資は、金融危機の影響により前年比で8%減少した。ただ、同国は2013年までに欧州連合(EU)に加盟する見通しとなっており、加盟後はEUからの補助金流入でインフラ整備が加速すると期待されている。
\クロアチアの各郡には、廃棄物を集中的に処理する地域センターが存在しない。政府は今後、全国17カ所に地域センターを建設する計画で、投資総額は3億6,000万ユーロを見込んでいる。このうち1億8,700万ユーロはリサイクリング施設の整備に充てるという。
\下水道の整備も緊急の課題だ。2007年時点の下水道普及率は43%、人口2,000人以下の自治体では6%という状態だった。また、何らかの方法で浄化されている下水は全体の63%だが、物理化学的・生物学的処理方法による処理は1%以下だった。政府が08年に策定した「水マネジメント戦略」によると、適切な排水処理設備の整備には200億クナの投資が必要だとされている。一方、上水道の整備に関して「水マネジメント戦略」は、普及率を15年以内に普及率を90%に引き上げるとともに、水道管の漏水率を36%から15%にまで改善することを目標に掲げ、目標達成のためには130億クナの投資が必要だとしている。
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