欧州連合(EU)の通産相理事会は先ごろ、欧州衛星測位システム(GNSS)運営庁をプラハに設置することで合意した。チェコにEU機関の本部が置かれるのは初めて。ブリュッセルの暫定運営本部から移転が完了するのは、約2年後になる見通しだ。シュヴァルツェンベルク外相は「チェコの名声を高めるもの」としてEUの決定を歓迎。非営利の学術交流機関CKKでも、チェコ企業が入札に参加したり、外国企業との提携を深めるチャンスになると高く評価している。
\GNSSプロジェクト(ガリレオ計画)は総額35億ユーロに上り、EUの計画としては過去最大規模を誇る。最終的な衛星の数は30基だが、これまでに打ち上げられたのは2基にとどまる。18基が軌道に乗る2014年に運用を開始する予定だ。
\測位システムとしてはすでに米国のGPSとロシアのグロナスがナビゲーションサービスを提供している。EUはこれに対し、◇両システムはもともと軍用で、サービス継続の保証がない◇ガリレオの方がサービスの質が高い――と利点をアピールしている。
\EUでは、ガリレオを利用した関連機器、サービスによって、欧州市場に数百億ユーロの売上がもたらされると予測する。また、2029年までに新たに数千人規模の職場が生まれると見込む。
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