ロシアの新ハイテク産業都市「スコールコボ」プロジェクトが徐々に固まりつつある。石油のルクオイルと、ロシア原子力公社(ロスアトム)の国内大手2社が投資を決めたほか、米IBMも参加を検討している。また、政府はハイテク商品の公共調達拡大に向けて関連法を改正するほか、スコールコボ関係者の滞在ビザ取得を簡易化する方向で検討を進めている。
\ルクオイルは先ごろ、スコールコボ財団と覚書を交わし、オフィスビルと開発センターの建設に投資することを決めた。両者の代表が構成する作業班を通じて計画の具体化と調整を進め、来年4月1日までに正式契約を結ぶ見通し。投資規模は明らかにされていない。ルクオイルの重点開発分野としては、◇石油生産◇製油◇再生可能エネルギー源◇情報技術(IT)――が挙がっている。
\ロスアトムもスコールコボ財団と覚書を交わし、独自の開発技術センターを設置する意向を明らかにした。また、自社の設備を他企業の利用に供する方針も打ち出した。主な開発対象は◇核技術◇エネルギー◇医療◇コンピューター関連技術――などとなる予定だ。
\米IT大手のIBMは、効率的な生活・社会基盤を構築するスマートシティ・プロジェクトをスコールコボで展開することを検討中だ。ほかにもソフト開発拠点設置を含む、さまざまな可能性を探っているという。
\一方、ドボルコビッチ大統領補佐官(経済担当)によると、政府はハイテク商品の公共調達を拡大するため、来春にも関連法の改正法案を閣議決定する。産官学の連携を促進するほか、ハイテク商品の品質基準を厳格化する方向という。
\また、スコールコボに居住する外国人に対しては、労働許可の免除や特別ビザの導入を含めた、査証優遇措置の適用を検討している。
\