2011/1/12

総合・マクロ

中東欧でインフレ進む

この記事の要約

ポーランドやハンガリーに加え、ロシアやエストニア、ウクライナ、チェコでもインフレが進んでいる。ロシア連邦統計局が5日発表した昨年12月の消費者物価は、前年同月比で8.7%上昇。前月の8.1%を上回り、過去13カ月で最も大 […]

ポーランドやハンガリーに加え、ロシアやエストニア、ウクライナ、チェコでもインフレが進んでいる。ロシア連邦統計局が5日発表した昨年12月の消費者物価は、前年同月比で8.7%上昇。前月の8.1%を上回り、過去13カ月で最も大きな上昇幅を記録した。

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ロシアでは昨年夏の「過去50年で最悪」といわれる干ばつの後から食品価格が上昇。消費需要も拡大しており5カ月連続で物価を押し上げている。

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ロシア中央銀行は12月24日に7カ月連続でリファイナンス金利を7.75%に据え置いたものの、今後の利上げの可能性も念頭に置き、物価動向を注視していく方針だ。

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エストニアでも7日、同国統計局が12月の消費者物価指数(インフレ率)が前年同期比で5.7%上昇したと発表した。11月の5.3%からさらに増加し、過去2年で最大の上昇幅となった。食品・非アルコール飲料価格が前年同期比12.1%増となり物価全体を7.2%押し上げた。ユーロ導入による便乗値上げの影響もあるという。ただ、インフレで燃料・食品販売は不調だが、価格上昇幅が大きくない電化製品や衣料、家庭用品の需要は回復している。

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同国中央銀行によると、昨年のインフレ率は2.7%。今年は年明けのユーロ導入も影響し、3.5%に上昇するが、2012年には落ち着くと予想している。

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■ウクライナ、チェコのインフレ率も上昇

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ウクライナ統計局の6日の発表によると、同国の10年のインフレ率は9.1%に上昇した。09年の12.3%からは減少したものの、12月の前月比上昇幅は0.8%で、11月の0.3%、10月の0.5%を上回った。昨年の食品・非アルコール飲料価格は前年から10.6%、住居費・光熱費は13.8%増加。アルコール飲料・たばこに至っては22.1%も上昇した。政府は今年のインフレ率を8.9%と予想している。

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また、チェコ統計局(CSU)が10日発表した10年12月のインフレ率(速報値)は前月比0.5%、前年同月比2.3%となり、チェコ中央銀行(CNB)の予測をそれぞれ0.1ポイント上回った。前月と比べた上げ幅としては、2010年通期で最大。ただ、国内大手銀コメルチュニバンカの見方ではコスト増加が物価上昇の主因であるため、近い将来に政策金利が引き上げられる可能性は少ない。現在の金利は0.75%となっている。

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前月比で上げ幅が大きかったのは食品・非アルコール飲料(2%)と交通(1.6%)だった。前年同月比では、保健(6.3%)、食品・非アルコール飲料(5.6%)、アルコール飲料・たばこ(5.3%)の価格上昇が目立った。

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