ロシアが国家公務員の大幅削減に乗り出す。メドベージェフ大統領が12月31日に署名した布告によると、2013年3月末までに公務員の20%に当たる10万人以上をカットする計画だ。うち、2万5,000人は今年3月末で解雇する。現地英字紙『モスコー・タイムズ』が12日付で報じた。
\ただ、同紙が取材した行政専門家によると、実際に解雇が行われるかどうかは不透明だ。現地の研究機関「インデム」は、過去の「人減らし」の例をみると、もともと空席となっている職や、定年退職などによる欠員を補充しないといった表面的な措置にとどまっていると指摘する。また、今年12月の下院選挙、来年の大統領選挙を控え、メドベージェフ大統領やプーチン首相が政治基盤である官僚組織のスリム化に本腰を入れるかどうかは疑問としている。
\現時点では、人数を含め、解雇の詳細は未定。大統領は、ロシア連邦議会(上院・下院)、会計監査院および中央選挙管理委員会に対して、具体案の策定を求めた。国家統計局によると国家公務員の数は2009年時点で87万8,000人に上っており、単純に計算すると17万5,000人強が解雇されることになる。経済紙『ベドモスチ』は昨秋、クドリン財務相が公務員削減の方針を明らかにした際に、12万507人が解雇されると報じており、いずれにしても10万人を超える人員削減を意味することは間違いなさそうだ。
\プーチン首相は大統領任期中の2004年に行政改革を実施、連邦省庁の数を23省庁から14省庁に削減した。しかし、連邦医薬品監督庁など、新たな官庁が設置されたり、連邦と地方自治体の間に連邦管区が設けられたりしたことで、公共部門で働く人の数が増加。2000年から09年までの10年間で35万5,500人も増えた。
\なお、クドリン財務相の昨秋の発言によると、公務員を20%削減すれば、歳出を430億ルーブル(14億米ドル)圧縮できる。メドベージェフ大統領は布告で、その半分を留任する公務員の給与引き上げに充てる意向を明らかにしている。
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