2011/2/2

ポーランド

10年のポーランド成長率3.8%に、輸出と内需がけん引

この記事の要約

ポーランド中央統計局(GUS)が28日発表した2010年通期の国内総生産(GDP)成長率(速報値)は3.8%で、前期の伸び率を2.1ポイントも上回った。輸出と内需の拡大が主因。経済の好調を受けて、中央銀行が近い将来、再利 […]

ポーランド中央統計局(GUS)が28日発表した2010年通期の国内総生産(GDP)成長率(速報値)は3.8%で、前期の伸び率を2.1ポイントも上回った。輸出と内需の拡大が主因。経済の好調を受けて、中央銀行が近い将来、再利上げを実施する可能性も強くなった。

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鉱工業の総付加価値は前期の0.3%減から9.2%の大幅増に転じた。内需も前期の1%減から3.9%のプラスとなり、力強い伸びで経済成長をけん引した。国内総支出と個別消費支出はいずれも3.2%増加。前年の伸び率をそれぞれ1.2ポイント、1.1ポイント上回った。一方、企業の設備投資は伸びず、国内総固定資本形成は2%縮小した。前年は1.1%減だった。

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経済専門家らは2010年第4四半期の消費の伸びの背景に、駆け込み需要があったと指摘する。ポーランドでは今年初めから付加価値税率が引き上げられたほか、商用車タイプの乗用車に対する税制優遇制度が撤廃された。このため、今年第1四半期の個人消費は前年同期比で3.3%の伸びにとどまる見通しだ。また、労働市場の動向は不安定で、12月の失業率は12.3%と前月の11.7%から悪化した。

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ポーランド中銀は19日、インフレ抑制に向けて7日物レファレンス金利を0.25ポイント引き上げて3.75%に設定した。利上げは2008年6月以来、2年7カ月ぶりだった。経済の好調で中銀が金融引き締めに動く可能性が強いが、国内大手銀行BZ WBKは設備投資の低調を理由に、2カ月連続での利上げはないとみている。

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