2011/2/9

総合・マクロ

中欧3カ国、製造業の好調続く

この記事の要約

ポーランド、ハンガリー、チェコの中欧3カ国の製造業が依然として好調だ。ポーランドとチェコでは輸出に加えて国内需要も伸び、景気回復が本格化している。ただ、3カ国とも原料価格の上昇で生産コストが拡大する傾向にあり、今後、製品 […]

ポーランド、ハンガリー、チェコの中欧3カ国の製造業が依然として好調だ。ポーランドとチェコでは輸出に加えて国内需要も伸び、景気回復が本格化している。ただ、3カ国とも原料価格の上昇で生産コストが拡大する傾向にあり、今後、製品価格が上がる可能性が強い。

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英金融大手HSBCが発表した1月のチェコ製造業購買担当者指数(PMI)は60.5となり、調査開始以来で最高を記録した。ポーランドも55.6と高い水準を維持したが、前月から0.7ポイント後退した。前月比でPMIが低下したのは、昨年7月以来で初めてだ。ただ、両国とも景気判断の分かれ目となる50を15カ月連続で上回っており、好調なことには変わりがない。ハンガリー物流・資材・在庫協会(MLBKT)が発表した同国のPMIは54.7となり、前月から0.7ポイント改善した。昨年は5、6月を除く10カ月で50を超えた。

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HSBCによると、チェコでは新規受注が全体として調査開始以来で最高を記録。輸出受注の伸び率が、全体の伸び率よりやや小さくなっていることから、内需が拡大している様子が伺われる。ポーランドも輸出受注、新規受注ともに大きく伸びた。生産コストを示す投入物価指数はポーランドで11.9ポイント増の78.0へと急上昇した。原料価格の高騰に加え、1月からの付加価値税(VAT)増税が影響した。チェコでも投入物価指数は過去3番目に速いペースで上昇した。同国ではすでに顧客への価格転嫁が始まっているもようだ。

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