2011/3/9

ハンガリー

実効性に疑問の声、ハンガリー政府の財務健全化政策

この記事の要約

ハンガリー政府は2月28日、2014年までの経済政策(セール・カルマーン計画)を発表し、構造改革を通じて新規債務を削減する方針を示した。2002年から08年まで続いた左翼政権がハンガリーを経済的な袋小路に迷い込ませせたと […]

ハンガリー政府は2月28日、2014年までの経済政策(セール・カルマーン計画)を発表し、構造改革を通じて新規債務を削減する方針を示した。2002年から08年まで続いた左翼政権がハンガリーを経済的な袋小路に迷い込ませせたと批判。財政緊縮から距離を置き、抜本的な改革を実施する意向を表明した。ただ、改革の具体的な内容や実施時期は明らかでなく、市場はその実効性に懐疑的だ。

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政府の計画によると、国内総生産(GDP)に対する新規債務の比率は、今年の2.94%から来年は2.5%、再来年は2.2%、2014年には1.9%に縮小する。赤字補填の主な財源としては銀行税などの特別税を予定している。

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保健・教育、年金、官僚主義といった7つの分野で構造改革を実行に移すとともに、厳格な財政政策と、雇用促進政策を実施することで、国家債務の対GDP比率を2010年の80%超から2014年までに60~70%へ低下させる。年金改革では、来年1月から給付金の全額を掛け金でまかなう方式に転換する。

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政府発表に対し、証券市場関係者は「明確なのは目標だけで、いつ、どのような措置をとるのか具体性に欠ける」と批判的だ。例えば、政府は財務健全化に関し、2013年までに年金・福祉予算の削減で9億フォリントの歳出減を達成すると説明したが、具体的にどの予算が削られるのかは不明だ。さらに、特別税・法人税減税の時期を遅らせることにも不満の声が出ている。米投資銀行ブラウンブラザースハリマンは、「政府は歳出削減よりも増税に重点を置いているようだ」と指摘した。(1HUF=0.42JPY)

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