仏石油大手トタルは2日、ロシアの独立系ガス最大手ノバテクと資本・業務提携することで合意したと発表した。中東や北アフリカの騒乱が広がりエネルギー供給への不安が高まる中、豊富な鉱物資源を有するロシアで資源開発を加速させ、エネルギーの安定確保を図るのが狙い。
\合意によると、トタルはノバテク株の12%を40億米ドルで取得し、今後3年で19.4%まで買い増す。また、ノバテクが51%の開発権を握るロシア北部ヤマル半島の液化天然ガス(LNG)生産プロジェクトの20%の権益を取得する。同プロジェクトは、ヤマル半島の南タンベイガス田(推定埋蔵量12億6,000万立方メートル)でLNGプラントを建設するもので、16年に稼動を開始し、年間1,500万トンをアジアや欧州に輸出するというもの。投資額は200億ドルが見込まれている。トタルとノバテクは、管轄当局の許可を経て、今年上期中に取引を完了させる考えだ。
\トタルは、ロシア政府系天然ガス企業ガスプロムが進めるバレンツ海シュトクマン・ガス田の開発プロジェクトにも参加している。同ガス田は当初16年の操業開始を予定していたが、開発スケジュールに遅れから18年に先送りされる公算が強まっている。トタルのクリストフ・ドマルジェリ最高経営責任者(CEO)は昨年6月、ウラジーミル・プーチン首相に対し、開発計画を軌道に乗せるため政府が支援するよう要請した。
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