6日に行われたエストニア議会選挙は、アンシップ現首相率いる改革党が101議席中33議席を獲得し、最大勢力を保持した。中道右派連立政権のパートナーである祖国・共和連合と合わせると、これまでより6議席多い56議席を確保。アンシップ首相は連立政権の続行を宣言した。与党が議席を伸ばしたのは、エストニア経済が2009年の14%のマイナス成長から回復に向かい、財政・経済政策への国民の理解が得られたためといえる。
\財政緊縮政策では国家公務員数の4分の1削減および給与削減、大臣や議員の給与2割削減などにより歳出を大幅に切り詰め、企業の税負担を軽減した。一方、企業も給与の4割削減や人員削減により経済危機に対処した。エストニアはまた、欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)からの緊急融資を回避して自力で財政再建を果たし、年初にユーロ導入を実現した。
\今後の経済見通しも良好だ。統計局が11日に発表した2010年の経済成長はプラス3.1%で、2011年はプラス4%と予測される。失業率も今後数カ月以内に10%を下回ると見られる。欧州委員会はエストニア政府の財政政策に大きな信頼を置いており、今年の対国内総生産(GDP)財政赤字比率が1.6%、累積債務比率がEU加盟国平均の86.5%を大幅に下回る9.5%に収まると予測している。
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