プーチン首相は9日、欧州向け天然ガスを液化天然ガス(LNG)に変えてタンカーで輸送することを視野に入れ、黒海沿岸での液化工場建設が可能かどうかを調査し、1週間以内に結果報告するようシュマトコ・エネルギー相に依頼した。露英字紙『モスクワ・タイムズ』が報じた。欧州への新しいガス供給ルートとして、露ガスプロムと伊電力大手エニが合同でサウス・ストリーム・パイプライン計画を進めているが、供給量を拡大するもうひとつの手段としてLNG案が浮上したようだ。シュマトコ・エネルギー相は欧州委員会がこの案を提示したとしているが、欧州委広報は否定している。
\サウス・ストリーム・パイプラインは、黒海海底を通りブルガリアを経由でオーストリア、イタリアまで敷設され、2015年に開通する計画だ。東欧ガス市場アナリストのKorchemkin氏は、サウス・ストリームの年間輸送量を630億立法メートル、LNGの年間生産量を110億立方メートルと推定している。
\プーチン首相は、国内ガス第2位のノバテクが仏トタルと合同で行うヤマル半島のLNGプロジェクトで生産量の一部を欧州に輸出することを想定。欧州のガス気化施設数を増やす必要があるが、シュマトコ・エネルギー相はこの戦略を「非常に将来性がある」と評している。
\