2011/3/23

バルト三国

リトアニア、遠のく新原発計画

この記事の要約

ロシアが15日、ベラルーシと共同で同国に原子力発電所を建設することで合意したことに、隣国リトアニアが警戒感を強めている。同日付けのオーストリア紙『ヴィルツシャフツブラット』が伝えた。\ リトアニアによると、原発が建設され […]

ロシアが15日、ベラルーシと共同で同国に原子力発電所を建設することで合意したことに、隣国リトアニアが警戒感を強めている。同日付けのオーストリア紙『ヴィルツシャフツブラット』が伝えた。

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リトアニアによると、原発が建設されるアスタラベッツは首都ビリニュスからわずか60キロメートルの位置にあるが、ベラルーシからは建設計画の詳細について十分な説明がなされておらず、先月に提出された環境影響評価報告も内容に不備があったという。

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アスタラベッツ原発に対するリトアニアの懸念の背景には、安全・環境面の理由だけでなく、同国が計画している新原発の建設計画がある。リトアニアは昨年閉鎖されたイグナリナ原発に代わる新たな原発を建設し、近隣諸国にも電力を輸出する計画を進めている。しかし、アスタラベッツ原発や、ロシアがカリーニングラードに建設中の原発も近隣国への電力輸出を視野に入れているため、これらの原発が完成すれば、リトアニアの新原発は大きな競争圧力にさらされることになる。

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リトアニアの新原発計画を巡っては、韓国電力公社(KEPCO)が昨年12月に発電所建設入札に応札した2週間後に撤退を表明したほか、資金調達面でも問題が続出している。リトアニア・エネルギー研究所のJurgis Vilemas所長は、「政府は当分の間、建設計画を凍結せざるを得ないのではないか」との見方を示している。

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