ボヘミア南部のテメリン原子力発電所で計画されている原子炉2基の新設工事入札に関し、フランスの原子力大手アレバは、自社が落札すればチェコで約5,000人の雇用が生まれるとの見解を発表した。チェコ政府に雇用創出効果をアピールして受注のチャンスを広げる狙い。同じく落札を狙うロシアも昨年11月、受注額の66%相当をチェコ企業に発注・委託すると言明しており、大型プロジェクトの獲得に向けた戦いが次第に本格化しそうだ。
\アレバは独自に開発した最新型の欧州加圧水型原子炉(EPR)の納入を狙っている。すでに中国で2基、フィンランド、フランスで各1基の建設に着手しており、露OMZグループのチェコ原子力子会社シュコダJSから主要部品の供給を受けている。
\アレバは、現時点でもシュコダJSをはじめチェコ企業24社と取引関係にある。テメリン原発工事を落札した場合に発注するチェコ企業も決定済みで、その数は最終的に100社以上に上り、下請企業の70%以上を占める可能性もあるという。
\チェコ電力公社CEZが操業するテメリン原子力発電所には2基の原子炉があり、あわせて2,000メガワットの発電能力を備える。工事契約には2基の新設と3基の追加発注オプションが含まれ、5基すべてを建設した場合の取引総額は1,000億コルナを超える見通しだ。アレバのほか、アトムストロイエクスポルト、ギドロプレス、シュコダJSのロシア・チェコ企業連合と、東芝傘下の米国ウェスチングハウスが応札している。
\CEZは2025年までに拡張計画を完了させる方針で、2013年に発注先を選定する予定だ。当初は2020年完工を計画していたが、電力需要の伸び悩みなどから5年遅らせた。(1CZK=4.73JPY)
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