ロシアの商用車大手カマズが国外の大手メーカーからの部品調達を拡大する。同社は現在、旧型エンジンを搭載したトラックを国内の公的機関や軍需機関、中央アジア諸国向けに販売しているが、今後は世界貿易機関(WTO)加盟に伴う輸入関税の引き下げなどで高品質の外国製トラックとの競争が激しくなる見通し。国外メーカーからの部品調達や国外同業との提携を通して、国際競争力を強化する方針だ。
\カマズは現在、部品の80%を自社または出資先メーカーで生産しており、残り20%を国外メーカーから調達している(下表参照)。搭載エンジンの20%は欧州連合(EU)の排ガス規定「ユーロ2」、残り80%は「ユーロ3」に対応する旧型だが、2018年までにすべて「ユーロ6」対応のメルセデス・エンジンに切り替える計画だ。同社は09年に独ダイムラーと提携。昨年からナベレジヌィエ・チェルヌィにある合弁工場でメルセデス・ブランドのトラックを生産している。昨年末には車軸生産で協力することでも合意した。
\国外メーカーからの調達拡大や国外同業との提携で生産設備の近代化が必要になるため、20年までに8億7,100万ユーロを投資することも計画している。
\カマズは昨年、トラック3万2,300台を販売した。今年は3万6,000台を目指す。さらに、15年には6万7,000台、20年には10万台の販売目標を掲げている。国外メーカーの部品の多用によって平均販売価格は1台当たり4万1,000ユーロから6万ユーロに上昇する見通しで、売上高では15年に昨年の3倍にあたる1,980億ルーブル(49億ユーロ)、20年に3,500ルーブルを目指している。(1RUB=2.90JPY)
\