ポーランド国家財産省は1日、国営電力会社エネアの株式売却をめぐる仏電力公社EDFとの交渉が失敗に終わったことを明らかにした。ポーランド政府は保有するエネア株式60.43%のうち51%を売却するため、独占交渉権を持つEDFと昨年末から交渉を開始したが、合意に至らぬまま3月31日の交渉期限を迎えた。
\ポーランド経済紙『Parkiet』によると、政府はEDFに株式売却の条件として、エネアへの投資とコジェニツェ石炭火力発電所の増設を保証するよう求めたが、欧州連合(EU)の環境規制を重視するEDFは火力発電所の2ユニット増設に難色を示したという。
\ポーランド政府はエネア株売却について、昨年10月末に同国の実業家ヤン・クルチク氏が率いる投資会社クルチク・ホールディングに独占交渉権を供与したが、11月半ばには これと並行して、他の候補企業との交渉を再開すると発表。最終的にクルチクとの交渉はまとまらず、EDFを新たなに独占交渉人として話し合いを進めていた。今回、EDFとの交渉にも失敗したことから、エネアの民営化はさらに遠のくことになりぞうだ。政府はエネア売却で約55億ズロチを調達することを目指している。(1PLN=29.83JPY)
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