ポーランド政府は、国有資産の売却を加速させる。6月にヤスチェンベ石炭公社(JSW)の新規株式公開(IPO)を実施するほか、9月には国内最大の銀行であるPKOバンク・ポルスキ(PKO-BP)の持ち株を売却、年内に総額150億ズロチを調達する計画だ。3月29日付けの現地紙『ジェチポスポリタ』が報じた。
\欧州最大のコークス用石炭メーカーであるJSWのIPOは2011年の中東欧で最大級のIPOとして注目を集めている。ウニクレディト、ゴールドマンサックス、シティグループ、JPモルガンチェースが幹事を務め、売り出し規模は30億~50億ズロチと見られている。
\PKO-BPについては、国営国家経済銀行(Bank Gospodarstwa Krajowego)が保有する10.24%全てを売却する。また、政府が直接出資する40.99%については、投資家の需要動向を見ながら売却分を決定するという。グラド国有財産相は政府のPKOの持ち株比率を最終的に25%強にまで引き下げる考えを示している。
\ポーランドの今年の財政赤字は420億ズロチに上る見通しで、政府はこれを補てんするため保有資産の売却を進めている。(1PLN=29.83JPY)
\