伊自動車大手のフィアットはロシアでの工場建設に16億ユーロの投資を計画しているもようだ。1日付の英字紙『モスクワ・タイムズ』が消息筋の話として報じた。
\同紙によると、フィアットはロシア国営の対外経済銀行(VEB)から工場建設の資金を調達する計画。ただ、両社はこの件に関しコメントを控えている。工場の建設地は未定だが、モスクワ南部のリペツク州やタタルスタン共和国が候補地域に挙がっているという。
\フィアットはライバル企業の動きに乗り遅れないため、ロシアでの現地生産を強化する方針で、2月末には、ロシアの経済開発省に現地生産と販売に関する事業計画書を提出した。具体的にはフィアットおよびジープブランドの中型・大型の乗用車、スポーツ・ユーティリティ・ビークル(SUV)車、軽商用車を生産する。部品輸入関税の減額措置の適用を受けるため、年30万台以上を生産する予定だ。
\フィアットのセルジオ・マルキオンネ最高経営責任者(CEO)は3月30日の株式総会で「フィアットはロシアに深く関与している」と強調。ロシアの同業ソレルスとの合弁生産に関する交渉は、2月半ばに失敗に終わったものの、現地メーカーとの提携を引き続き検討していることを明らかにした。
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