2011/4/6

ロシア

モスクワ2空港を民営化、経営権譲渡も検討

この記事の要約

プーチン首相は28日、モスクワにあるシェレメチェボ国際空港とヴヌコボ国際空港を統合の上、民営化する計画を明らかにした。財政赤字の削減と同時に、首都モスクワのインフラを改善することが狙い。詳細な日程は明らかにされていない。 […]

プーチン首相は28日、モスクワにあるシェレメチェボ国際空港とヴヌコボ国際空港を統合の上、民営化する計画を明らかにした。財政赤字の削減と同時に、首都モスクワのインフラを改善することが狙い。詳細な日程は明らかにされていない。

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シェレメチェボ空港の出資構成は連邦政府が100%、ヴヌコボ空港は連邦政府が75%、モスクワ市政府が25%となっている。連邦政府によれば、民営化を通じて経営権の譲渡も検討中という。モスクワ市政府は保有するヴヌコボ空港株を連邦政府か統合後の新会社に売却する意向だ。

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連邦政府は2020年までにモスクワにある3つの国際空港の旅客処理能力を計1億人へと倍増させる計画だ。来年はシェレメチェボ空港で第3滑走路が着工するほか、ヴヌコボ空港でも滑走路の改修が予定されている。3空港の中で最も大きいドモデドボ空港はすでに民営化され、新しい滑走路が完成した。プーチン首相は、空港の近代化費用のうち25億米ドル前後を民間からの投資でまかなう方針だ。民営化が計画される2空港の時価総額は「数百億ルーブル」とみている。

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ロシアは大型民営化計画の推進により、国内総生産(GDP)の6%を超える財政赤字を大幅に縮小したい意向だ。国有銀行のほか、ロシア鉄道(RZD)やアエロフロートなど大手企業を売却することで総額1兆ルーブル(350億米ドル)の収益を見込む。メドベージェフ大統領は民営化によって、企業の経営体質の刷新を加速させることも狙っている。

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一方、モスクワ市は今後2年で70億ドル規模の民営化を実施する計画。ヴヌコボ空港売却益の使途としては、地下鉄路線の拡張を選択肢に挙げている。その背景には、モスクワの国際金融都市化を目指すメドベージェフ大統領が、市内の交通渋滞解消に向けたインフラ改善を求めていることがあるようだ。

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シェレメチェボ空港の昨年の利用旅客数は1,930万人、ヴヌコボ空港は940万人、ドモデドボ空港は2,220万人だった。アエロフロートはシェレメチェボ空港をハブ拠点としている。3空港の中で最も大きいドモデドボ空港はすでに民営化され、新しい滑走路も完成している。

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