2011/4/13

ハンガリー

製薬業界に特別税、7月1日から=ハンガリー政府

この記事の要約

ハンガリー政府が財政赤字削減を目的に、7月1日から製薬業界を対象とする特別税の導入を検討している。先月発表した構造改革計画(セール・カールマン計画)に基づくもので、総額259億フォリントの財政負担軽減を見込む。政府は先週 […]

ハンガリー政府が財政赤字削減を目的に、7月1日から製薬業界を対象とする特別税の導入を検討している。先月発表した構造改革計画(セール・カールマン計画)に基づくもので、総額259億フォリントの財政負担軽減を見込む。政府は先週から業界代表と協議に入り、業界側も政府が増収分を医療報酬などの形で再投資するのであれば、納税に応じるとの立場を表明した。ただ、構造改革計画では医薬品助成制度の見直しによる財政負担を来年830億フォリント、2013、14の両年は各1,200億フォリント軽減するとしており、その達成には追加的な施策が必要とある。

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政府案の内容は、◇国家助成対象の医薬品の売上税率を現行の12%から18%へ引き上げ(歳出削減効果:39億フォリント)◇販売外交員への賦課額を1人当たり500万フォリントから1,000万フォリントに引き上げ(10億フォリント)◇処方薬売上高(工場出荷価格ベース)の5%を徴税◇コレステリン降下剤に対する政府負担比率を現行の80%から引き下げ(50億フォリント)◇他の治療領域についても助成金を見直し(20億フォリント)◇4月1日の医薬品助成額改定(41億フォリント)◇後発医薬品に国際基準価格を導入(10億フォリント)◇医薬品による治療効果が認められなければ、メーカーが助成金を国に返納する成功報酬制の導入(10億フォリント)――など。

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ハンガリー製薬企業協会(Magyosz)はMTI通信の取材に対し、国による再投資を条件に納税に応じる姿勢を示した。国の競争力を維持し、健康・医療サービスを保障することが業界の最優先課題と指摘し、税負担と引き換えに研究開発助成予算を現在の1.15%から2020年までに1.8%へ拡大するよう求めている。ただ、緊縮財政を強いられている政府が、その要望に応えられるかどうかは未知数だ。

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欧州委員会と国際通貨基金は、2008年の緊急支援の条件として、政府に徹底的な財政引き締めを求めている。ハンガリーは今年の財政赤字を国内総生産(GDP)の2.8%に、来年は2.5%に抑える方針だ。公式発表によると昨年は3.8%だったが、年金制度改革による特別収入を除いた実質では5%に上ったとIMFではみている。(1HUF=0.45JPY)

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