ブルガリアのボリソフ首相は6日の閣議で、ドナウ川流域のベレネで計画している原子力発電所の建設について、6月1日までに最終判断を下す考えを明らかにした。
\ブルガリアの国営電力会社(NEK)は2006年、ベレネに合計出力2,000メガワットの原発を建設することでロシア原子力公社(ロスアトム)と基本合意。昨年11月末にはプロジェクトの事業母体となるベレネ・パワー・カンパニーの設立に関する趣意書に調印した。しかし、ロスアトムが求める建設費用の増額を巡って意見の調整がつかず、両社は5日、最終合意期限を6月1日に延期するとともに、安全性確認作業を実施するため建設計画を6月末まで凍結することで合意した。
\ボリソフ首相は、「(ロスアトアムによって)提示された建設費用を我々が受け入れることができなければ、2カ月後に最終合意文書に調印はせず、パリ国際仲裁裁判所に裁定を求めることになる。一方、コンサルタントが実施可能であると判断した場合には調印し、プロジェクトを開始することになる」と述べた。
\なお、トライコフ経済・エネルギー・観光相は5日、原発の所管大臣である自分の同意を得ることなくNEKがロスアトムと合意したことは越権行為であるとして、NEKのパルバノフ社長を解任すると発表した。この問題についてボリソフ首相は、パルバノフ社長はジャンコフ財務相兼副首相の意向を受けて合意したものであるとして、同社長の解任命令を撤回させたことを明らかにした。
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