2011/4/13

ロシア

ガスプロムネフチ、独精油会社の株取得で伊ENIIと交渉

この記事の要約

ロシアの天然ガス最大手ガスプロムの石油子会社ガスプロムネフチは、伊炭化水素公社(ENI)が保有するドイツの石油精製会社PCKラフィネリーの株式8.3%を取得する方向で、ENIと交渉を進めている。3月29日付けのロシア日刊 […]

ロシアの天然ガス最大手ガスプロムの石油子会社ガスプロムネフチは、伊炭化水素公社(ENI)が保有するドイツの石油精製会社PCKラフィネリーの株式8.3%を取得する方向で、ENIと交渉を進めている。3月29日付けのロシア日刊紙『RBCデイリー』が報じた。取得に成功すれば、ガスプロムネフチは欧州の石油精製市場に進出する足がかりをつかむことになる。

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PCKラフィネリーは主にガスプロムネフチから原油の供給を受けており、精製能力は年間1,200万トン。同社には独製油大手ルール石油(Ruhr Oel)と英蘭系石油大手シェルのドイツ子会社がそれぞれ37.5%、ENIと仏トタルの合弁会社であるAETが25%を出資する。投資会社ヴェレス・キャピタルのアナリスト、タヌルコフ氏によると、ENIの出資持分の時価は2億6,500万~3億米ドルと推定され、ガスプロムネフチがENIの持ち株を取得した場合、5~6年で投資を回収できるという。

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ガスプロムネフチの親会社であるガスプロムとENIは2006年に戦略提携を締結、その一環として資産交換を進めてきた。先月にはガスプロムがENIからリビアのエレファント石油・ガス田の権益を1億7,800万ドルで取得することで合意。ENIはチェコの製油会社チェスカー・ラフィネースルカー(CR)の持分32.4%もガスプロムに譲渡する意向を示しているが、CRの筆頭株主であるチェコの石化大手ウニペトロルが難色を示しており、取引が成立するかどうかは微妙な情勢だ。

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