2011/4/20

チェコ・スロバキア

日本製部品の供給不足、チェコ自動車産業への影響は限定的

この記事の要約

東日本大震災をきっかけに一部の自動車メーカーで日本からの部品調達が難しくなっているが、チェコ自動車産業への影響は限定的なものにとどまりそうだ。部品の国内生産比率が高いことがその理由。今回の問題でメーカーが調達先の複数化を […]

東日本大震災をきっかけに一部の自動車メーカーで日本からの部品調達が難しくなっているが、チェコ自動車産業への影響は限定的なものにとどまりそうだ。部品の国内生産比率が高いことがその理由。今回の問題でメーカーが調達先の複数化を進めれば、チェコの部品産業にとっては新たな取引のチャンスが生まれる可能性もある。

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大手会計事務所アーンスト&ヤングのコチュカ氏は、「日本からの部品調達難を理由にチェコの自動車工場が減産や一時的な休業を強いられることはない」と話す。日本製部品の供給量は十分で、日本企業の回復力が強いことを考慮すれば、生産に支障は出ないとの見方だ。

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チェコにおける自動車生産は、シュコダ自動車、現代自動車、トヨタ・プジョーシトロエン(TPCA)の3社でほぼ100%を占める。これまでのところ3社とも部品不足の影響はないと表明しているが、チェコの証券会社Cyrrusは「調達難が長期にわたったり、悪化した場合は数週間内で部品不足が深刻化するだろう」と予測する。

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部品業界への影響についてコチュカ氏は、特定の部品が不足することで、「短期的には調達先の変更も起こりうるが、長期的にみれば、売上高や市場シェアに大きな変化はない」とみる。ただ、自動車メーカーが今回の経験を踏まえて緊急時計画を策定したり、部品不足に備えて生産能力に余裕のあるサプライヤーを緊急調達先に指定するといった可能性が出てきたのも確か。これが国内部品業界に新たな市場を拓くこともありうると話す。

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シュコダ自と現代自は日本からの部品調達難による減産はないと言明した。TPCAは、部品のほとんどは国内から供給を受けているが、サプライヤーが日本から部品を調達しているケースがあり、部品不足が長期化すれば生産に問題が生じると予測する。現時点では数週間先まで部品確保のめどが立っているという。

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