2011/5/4

ロシア

ロシア中銀、政策金利を8.25%に引き上げ

この記事の要約

ロシア中央銀行は4月29日、政策金利であるリファイナンス金利を0.25ポイント引き上げ8.25%に設定した。利上げは2月に続き、今年に入って2回目。インフレ圧力が依然として高く、経済成長鈍化のリスクを冒してもインフレ抑制 […]

ロシア中央銀行は4月29日、政策金利であるリファイナンス金利を0.25ポイント引き上げ8.25%に設定した。利上げは2月に続き、今年に入って2回目。インフレ圧力が依然として高く、経済成長鈍化のリスクを冒してもインフレ抑制が必要と判断した。翌日物預金金利、翌日物レポ金利も0.25ポイント引き上げ、それぞれ3.25%、5.5%とした。法定準備率は5.5%に据え置いた。

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ロシアでは食品や燃料を中心に物価が上昇。インフレ率は1月に9.6%、2月と3月に9.5%、4月も25日の時点で9.6%と、中銀の目標値である6~7%を大きく上回っている。インフレ期待も高いことから、今回の利上げ判断に至った。

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中銀では通貨ルーブルの為替相場が上昇していることや、銀行に対する法定準備率の引き上げでインフレ圧力が高まるとみている。クドリン財務相も21日、メドベージェフ大統領が推進する経済近代化の実現にはインフレ率を7%以下に抑える必要があるとの見解を示し、物価上昇にブレーキをかけることが政府の重要課題との姿勢を明らかにしていた。

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ロシアでは4月に実質賃金が過去16カ月で初めて低下に転じ、可処分所得は前年同期比で3.4%縮小した。一方で小売売上高は4.8%増加し、銀行による個人融資も拡大している。中銀は、国民が所得を貯蓄よりも消費に振り向ける傾向にあり、これがさらなるインフレを招く危険があるとみている。

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