2011/6/15

ポーランド

三井物産、シェールガス開発に参入

この記事の要約

三井物産は9日、米国の石油ガス開発大手マラソンオイルがポーランド東部に保有するシェールガス探鉱鉱区の権益の一部を取得することで合意したと発表した。日本企業として初めて、同国のシェールガス開発に参入する。権益比率はオペレー […]

三井物産は9日、米国の石油ガス開発大手マラソンオイルがポーランド東部に保有するシェールガス探鉱鉱区の権益の一部を取得することで合意したと発表した。日本企業として初めて、同国のシェールガス開発に参入する。権益比率はオペレーターのマラソンオイルが51%、三井が9%。残りの40%はカナダの石油ガス開発会社ネクソンが保有しており、今回の取引はポーランド当局とネクソンの承認を得て成立する。

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三井はすでに、米ペンシルバニア州のマーセラス・シェールエリアでシェールガス鉱区の開発・生産を進めている。そこでのノウハウを活かし、ポーランドおよび欧州市場に進出する計画。今回取得する鉱区では今後5年で地質調査や試掘井の掘削を行うとしている。

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米エネルギー情報局(EIA)の推定によると、中東欧地域のシェールガス埋蔵量は7.1兆立方メートル。その7割以上を占める5.2兆立方メートルがポーランドにあり、同国のガス消費を約300年間カバーできるという。

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ポーランド政府は、ロシアへの天然ガス依存率(約50%)を減らすため、国内でのシェールガスの探鉱・開発を積極的に支援している。2009年からこれまでに、マラソンオイルとネクソンのほか、米国のコノコフィリップス、エクソンモービル、シェブロンや仏トタルなど欧米の大手石油ガス企業が同国のシェールガス市場に参入。国内大手のPKNオルレンやPGNiGもこれらの外資大手と組むなどして探鉱事業を進めている。

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ただ、専門家によると、シェールガスの商業生産は早くとも2020年以降になる見通しだ。地中の岩盤層に閉じ込められたシェールガスを水圧破砕で採取するため大量な水を確保する必要があるうえ、採掘用の巨大機材などを運ぶ輸送インフラの整備も不可欠だという。

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