2011/6/15

ロシア

自動車大手5社・連合、ロシアに総額60億ドルを投資

この記事の要約

フィアット、ソレルス・フォード、フォルクスワーゲン(VW)、ゼネラルモーターズ(GM)および、アフトワズ、ルノー日産、イシュアフト、カマズとメルセデスベンツ・トラックス・イーストから成る企業連合は、ロシア経済発展省との間 […]

フィアット、ソレルス・フォード、フォルクスワーゲン(VW)、ゼネラルモーターズ(GM)および、アフトワズ、ルノー日産、イシュアフト、カマズとメルセデスベンツ・トラックス・イーストから成る企業連合は、ロシア経済発展省との間で契約を結び、向こう4年間で総額60億米ドルをロシアにおける生産拡大に投資することを約束した。一定の条件と引き換えに、8年間、部品輸入関税の減免措置を受ける。これら5社・連合の計画が実現すると、ロシアの自動車生産台数は年間200万台に達する計算になる。

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経済発展省によると、ロシアで組み立てるモデルは最大100車種に上る見通し。フィアットは11億ドルをかけて生産能力12万台の自動車組み立て工場と、エンジン工場を整備する。ソレルス・フォードは12億ドルを投じて3工場を設置し、年産30万台体制を整える。GMは10億ドルを既存工場に追加投資。VWも9億ドルを既存工場に投じるほか、エンジン工場を新設する。アフトワズ、ルノー日産などの企業連合は20億ドルを投資し、年間100万台の生産を予定している。

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関税減免措置の適用の条件は4年以内に◇現地での年産台数30万台以上◇部品の現地調達率60%以上◇エンジン20万基以上、変速機20万台以上を現地生産――を満たすことだ。

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国際自動車メーカーは数年前からロシアに進出し始めた。ロシア政府は以前にも国内自動車産業の振興に向けて、輸入関税の優遇措置などを内容とした投資契約を各社と結んでいた。しかし、ロシアでは自動車メーカーが部品を社内で製造する伝統があり、サプライチェーンが未発達。調達できる部品の種類が限られるのに加え、品質も劣っていたために予定通り現調比率が上がらなかった。このため、政府は振興戦略を一部見直し、今回の契約調印に至った。

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■フォード、現地生産台数を3倍に

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米国の自動車大手フォード・モーターはロシアの提携パートナー、ソレルスと共同で同国における生産能力を約3倍に強化する計画を明らかにした。2015年の市場規模が400万台に成長するとの予測に立ち、これまで7~10%程度だったシェアの拡大を目指す。

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8日に調印された合弁契約によると、2014年頃までに年間35万台を生産する計画だ。来月のフォード・トランジットを皮切りに、ロシアにおける生産車種を増やしていく。

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フォードのオデル欧州事業部長は、「合弁事業を通じて、我が社はロシア自動車産業を支える柱の一つとなり、ロシア製造業振興の力となる」と抱負を語った。

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フォードは2002年にサンクトペテルブルグ工場の操業を開始。昨年は「フォーカス」と「モンデオ」を合計8万台生産した。販売総数は9万台強だった。一方のソレルスは「ラーダ」で知られるアフトワズに次ぎ、国内メーカーとして第2位につけており、9万8,000台の乗用車と小型商用車を販売した。

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ロシアの乗用車販売台数は昨年197万台だった。ロシアに進出している国外企業で作る欧州ビジネス協会(AEB)によると、今年は235万台に伸びる見通し。

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