2011/6/22

ポーランド

富豪クルチク氏、新車の輸入販売事業をVWに売却

この記事の要約

ポーランドの大富豪ヤン・クルチク氏が独フォルクスワーゲン(VW)の新車の輸入販売事業をVWに売却する。クルチク氏とVWはすでに6月1日に仮契約を締結。9月か10月に正式な取引契約に調印する予定だ。現地日刊紙『ジェチポスポ […]

ポーランドの大富豪ヤン・クルチク氏が独フォルクスワーゲン(VW)の新車の輸入販売事業をVWに売却する。クルチク氏とVWはすでに6月1日に仮契約を締結。9月か10月に正式な取引契約に調印する予定だ。現地日刊紙『ジェチポスポリタ』がこのほど業界関係者の情報として伝えた。

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仮契約によると、クルチク氏率いるクルチクグループがポーランドで所有するVWおよび傘下ブランド(シュコダ、アウディ)の輸入販売代理店195店舗をVWに売却する。売却価格は1億5,000万~2億ユーロに上る見通し。市場関係者は、取引は現金取引ではなく株式交換方式で、クルチクグループ傘下の投資会社クルチク・インベストメントがVWの株式を取得すると予想。VWの時価総額とポーランド市場の規模から約0.36%を取得することになると試算している。クルチク・インベストメントはコメントを控えている。

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クルチク氏は1992年にVWの輸入販売代理店のオーナーになり、これまでに約92万台を販売。昨年の販売台数はポーランド国内の新車販売台数の19.5%を占めた。ただ、今後はエネルギー、燃料、インフラ分野の事業に注力することにしており、今回の売却に踏み切った。

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同氏は新戦略に基づき、5月末には三菱「i-MiEV(アイ・ミーブ)」のリース事業を立ち上げた。まず、ワルシャワの法人向けにアイ・ミーブを20台貸し出す。充電スタンド網の整備にも力を入れ、年末までに全国で50台、2013年までに300台に拡大する方針だ。

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