中国の胡錦濤国家主席の16日のロシア公式訪問に合わせ最終合意を目指していた、中国石油天然気集団(CNPC)とロシア国営ガスプロムの天然ガス価格をめぐる交渉は不発に終わった。中国はロシアから30年間にわたり天然ガスを輸入することを目指しているが、双方が求める価格の隔たりは埋まらなかった。ガスプロムのアレクサンドル・メドベージェフ副社長はブルームバーグに対し、「交渉条件が近づくほど最後の一歩を踏み出すのは難しい」と述べ、5年越しの交渉の年内決着を目指す方針を示した。
\ガスプロムは2015年をめどに西シベリアと極東のガス田から中国に年最大700億立方メートルのガスを供給する計画。30年契約で約7,000億ドル規模と見積もられるビック取引で、中ロ双方は胡主席の訪ロと17、18日にサンクトペテルブルクで開催された国際経済フォーラムの前の最終合意を見込んでいた。
\交渉では中国側が1,000万立方メートル当たり250ドル以下を求めたのに対し、ロシア側は欧州向けの輸出価格に近い300ドル以上を主張。約100ドルの価格差は埋まらなかった。ガスプロムの今年上半期の欧州向け価格は346ドル。原油価格の上昇に合わせ、12月までに長期供給契約の価格を500ドルまで引き上げることを計画している。なお、国際経済フォーラムが参加者を対象に実施したアンケートによると、42%が2013年の天然ガス価格は平均300~400ドルになると予測した。
\ \■中ロ首脳は戦略的協調関係の深化で合意
\ \16日に会談したロシアのメドベージェフ大統領と胡主席は、両国の戦略的協調関係の深化で合意。2010年に約600億ドルだった中ロ間の貿易高を20年までに2,000億ドルに引き上げる協力目標を掲げた。
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