2011/7/13

バルト三国

エストニアの格付けを引き上げ・フィッチ、A+に

この記事の要約

格付け会社フィッチ・レーティングスは5日、エストニアの長期外貨建ておよび自国通貨建て発行体デフォルト格付けを「A」から「A+」に引き上げ、見通しを「安定的(ステーブル)」とした。堅調な経済と健全な財政、今年1月のユーロ導 […]

格付け会社フィッチ・レーティングスは5日、エストニアの長期外貨建ておよび自国通貨建て発行体デフォルト格付けを「A」から「A+」に引き上げ、見通しを「安定的(ステーブル)」とした。堅調な経済と健全な財政、今年1月のユーロ導入などが評価された。

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フィッチのアナリスト、ナポリターノ氏は「良好な経済パフォーマンス、欧州では例外的とも言えるほど健全な財政、対外債務の減少、銀行部門に安定化の兆しがみられることなどが、格付けの引き上げに反映された」と説明した。

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エストニアの2011年1-3月期の国内総生産(GDP)伸び率は、輸出の好調が追い風となって前年同期比8.5%と、欧州連合(EU)加盟国の中で最も高かった。同国は昨年にEUで唯一財政黒字を計上、政府債務はGDP比で6.6%と、加盟国中最も低かった。

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エストニアは世界金融危機の影響により、2009年は13.9%のマイナスに落ち込んだが、政府の超緊縮策が奏効し、昨年はプラス成長に復帰した。フィッチはエストニア経済について、「強いV字回復を遂げており、マクロ経済の不均衡を生じることなく堅調に推移している」と評価。経済成長率は今年が4.8%、来年は4.2%との予測を示した。

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なお、米スタンダード・アンド・プアーズは4月にエストニアのソブリン格付け見通しを「安定的」から「ポジティブ」に引き上げている。

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