2011/7/20

ロシア

独RWE、ガスプロムと戦略提携で基本合意

この記事の要約

エネルギー大手独RWEは14日、ロシア国営天然ガス会社ガスプロムと戦略提携することで基本合意したと発表した。西欧諸国で火力発電事業を共同運営する。RWEには投資資金の圧縮、ガスプロムには西欧電力市場への参入という狙いがあ […]

エネルギー大手独RWEは14日、ロシア国営天然ガス会社ガスプロムと戦略提携することで基本合意したと発表した。西欧諸国で火力発電事業を共同運営する。RWEには投資資金の圧縮、ガスプロムには西欧電力市場への参入という狙いがある。

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ガスプロムのアレクセイ・ミレル社長によると、両社は今後3カ月間、西欧におけるエネルギー共同事業の実現を目指し協議を進めるという。具体的には合弁会社を設立し、RWEのドイツ、英国、ベネルクス3国の既存、新設火力発電事業を新会社に移管することを計画しており、ガスプロムはこれと引き換えに、有利な条件で天然ガスを供給する方針だ。

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独カルテル庁のアンドレアス・ムント長官は先ごろ、独メディアに対し「ガスプロムがRWEに資本参加する場合は厳密に審査する」と発言した。RWEによると、今回の合意ではガスプロムが安定株主として同社に資本参加するかどうかについては協議の対象になっていないが、カルテル庁は今回の合弁にも疑念を表明しており、先行きは不透明だ。一方、ドイツ経済省の広報官は、「両企業が出資に関して交渉することは、独禁法に従う限り問題ない」とする政府見解を表明している。

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RWEは累積債務が270億ユーロを超えるうえ、ドイツの原発廃止前倒しを受けて利益も圧迫されている。このため株価は大きく低下。米スタンダード&プアーズ(S&P)は6月初め、同社の格付けをA-に下げたうえ、見通しも「ネガティブ」に引き下げており、資金の確保は緊急の課題となっている。ガスプロムから割高な天然ガスを調達していることも利益を圧迫しており、同社との戦略提携はこの点でも魅力的だ。

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